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お仕事なぅ

なぅ先生のお仕事役立ち情報

お仕事役立ち情報:パワハラについて(その2)

 前回に引き続き、特定社会保険労務士の山口先生の、「パワハラ=パワーハラスメント」につ
いてのお話を紹介するよ。

 「パワーハラスメントについて考える(その2)」

  パワハラを受けて心身に不調をきたす人が増えるなど、パワハラが社会問題化している一方
 で、パワハラと受け止められることを恐れて業務上必要な指導が十分できない、という悩みを
 抱えている企業もある、というお話は前回しましたね。

  ではそもそも、パワハラと業務上の指導を分けるはっきりした境界線はあるのでしょうか。
 パワハラと業務上の指導の差は紙一重で、受けた側の主観に左右される部分もあるので、この
 二つを明確に区分することは難しそうです。

  暴力やひどい暴言など、誰が見ても明らかなパワハラについては、見解の相違もほとんどあ
 りません。
  このような明らかなパワハラは、トップがパワハラを許さないという明確なメッセージを発
 信する、パワハラ防止を周知啓発する、相談窓口を設けるなど、周りの目を厳しくすることで
 ある程度防ぐことができます。
 
  その一方で、業務上の指導との区別がつきにくい行為はたくさんあります。
  例えば、本人の成長を期待して厳しく注意したことが、相手にはパワハラと受け止められる
 こともあります。
  また、一回なら問題とはならない行為でも、繰り返し行えばパワハラと捉えられることもあ
 るでしょう。

  このように、人や状況によって受け止め方が違うものについては、社内で共通認識を持てる
 ようにすることが、業務上必要な指導を行いつつパワハラを防止するポイントとなります。
  具体的な対策としては、対象者別に繰り返し研修を行い、社内での共通認識を形成していく
 のが効果的です。
  座学だけでなく、具体的な例を挙げてパワハラに該当するかを話し合い、お互いの見解を近
 づけることで、より意義のある研修となるでしょう。

  若手社員への研修ではまず、上司が業務上の指導をするのは当然で、それが正当なものであ
 ればパワハラではないことを認識させます。
  その上で、指導を受けた時の態度や、その後の仕事への対応を教えることで、必要な指導を
 パワハラと誤解するのを防ぐことができるでしょう。

  結局、業務上必要な指導を行ったうえでパワハラを防止する際に大切なのは、やはり「コミ
 ュニケーション」と言えそうです。
  日頃から、相手を尊重するコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが、パワハラ防
 止につながります。

  また、パワハラが起きる背景として、長時間労働やきついノルマなどの職場環境に問題があ
 る場合もあります。
  職場環境の視点から、パワハラを生みかねない土壌がないかチェックし、改善を図っていく
 ことも、パワハラを防止し適切な業務指導を行いやすくするためにはとても重要です。

  パワハラ対策には「この方法でやれば絶対に大丈夫」というものはありませんが、まずは「
 お互いを理解しあおう」という意識を浸透させ、働きやすい職場をつくっていきましょう。


                         ≪特定社会保険労務士 山口民枝≫
 

なぅ先生
私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!