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なぅ先生のお仕事役立ち情報

お仕事役立ち情報:「無期転換」について

 今回は「無期転換」について、特定社会保険労務士の山口先生から、お話が寄せられたので紹介 するよ。

 始まります、無期転換
 これまでもお伝えしてきた「無期転換ルール」。今年の4月以降、無期転換申出の権利を持
つ労働者が増えてきます。無期転換をスムーズに進めるために、会社としてはどのような体制
を整えておけば良いでしょうか。今回は、その流れやポイントについてお伝えします。

 まず、現在雇用している有期契約労働者の現状を把握しましょう。有期契約労働者の人数、
職務内容、月や週の労働時間、契約期間、更新回数、勤続年数(通算契約期間)、今後の働き
方やキャリアに対する希望、無期転換申込権の発生時期などをきちんと掴むことが大切です。

 次に、今後の有期契約労働者・無期に転換した労働者の活用方針を明確にしましょう。
そのためにはまず、現在有期契約労働者が担っている仕事の内容を、①恒常的な業務か一時的
な業務か、②基幹的な業務か補助的な業務か、という2つの視点から分類しましょう。基幹的
な業務であれば正社員が行う、恒常的な業務であれば正社員や無期契約労働者が行う、一時的
な業務や補助的な業務であれば有期契約労働者が行うなど、会社の実情や業務の内容に応じて
役割分担を見直します。

 無期転換後の労働者の雇用形態については、主に次の3つのタイプがあります。
①契約期間の変更
 契約期間のみを有期契約から無期契約に変更します。賃金や労働時間など、その他の労働条
件は変更されません。無期転換前と比べ、職務や処遇を変更する必要がない労働者が対象です。
②多様な正社員への転換
 勤務地や労働時間、職務などの労働条件に制約を設けた正社員への転換です。働き方に制約
があり正社員として働けない労働者が働き続けやすい、などのメリットがあります。
③正社員への転換
 業務内容に制限がない正社員への転換です。中核的な人材として長期的にキャリアアップを
図ることが可能です。

 無期転換にあたっては、必ずしもひとつの雇用形態を選択する必要はありません。
例えば、まず労働者の申出で①契約期間の変更を行い無期労働契約とした後に、登用試験など
で②多様な正社員や③正社員に転換する、ということも可能です。
 また、これまでにない雇用形態を設ける場合には、新たな雇用形態についての労働条件の設
定や、規程類の整備が必要になってきます。その際には、有期契約労働者や正社員等これまで
ある雇用形態とのバランスに注意しましょう。

 無期転換をスムーズに進める上で最も大切なのは、無期転換の申込前から労使のコミュニケ
ーションをしっかり行うことです。無期転換申込権については、事前に労働者に説明しておき
ましょう。その際には、労働者本人の長期的なキャリアプランも含めた意向確認を行った上で、
会社が期待するところを明確に伝えましょう。また、無期労働契約への転換時には、働き方が
変わる場合もあるため、無期転換後の労働条件については、改めて労働条件通知書などの文書
で通知しましょう。

 無期労働契約に転換することで、会社にとっては、労働者の定着や必要な人材確保にもつな
がります。また、労働者にとっては、継続雇用に対する不安がなくなることで、高いモチベー
ションやキャリア形成意識を持って働くことができ、能力アップにもつながります。無期転換
が会社にとっても労働者にとってもプラスになるよう、社内体制を整備しておきましょう。

                         ≪特定社会保険労務士 山口民枝≫
 

なぅ先生
私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!