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なぅ先生のお仕事役立ち情報

お仕事役立ち情報:育児・介護休業法が変わりました(その2)

 前回に引き続いて、平成29年1月1日からの「改正育児・介護休業法」について、 特定社会保険労務士の山口先生から、お話が寄せられたので紹介するよ。

 「育児・介護休業法が変わりました(その2)」
 今回の「育児・介護休業法」の改正では、介護に関する制度で大幅な改正がありました。介
護を理由に離職する人は年間約10万人と言われています。介護離職を防止し、介護しながら
働き続けられるよう、長期にわたり複数回利用できる制度の拡充や新設が行われました。
 介護に関する主な改正点は以下のとおりです。

① 介護休業の分割取得
  これまでは、同一の要介護状態について1回しか介護休業が取得できませんでしたが、介
 護開始から終了までの間に、複数回休業する必要があるケースが多いことから、対象家族一
 人につき3回まで分割して取得できるようになりました。取得できる日数は、通算93日で
 変更はありません。
② 介護休業に関するその他の改正
  これまでは、「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」で介護休業が取れるかを判
 断していましたが、この判断基準に加え、介護保険制度の「要介護2」以上である場合は介
 護休業が取れることになりました。他の制度が利用できるかについても同様に判断します。
  なお、介護の対象となる家族は、配偶者(事実婚含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父
 母、兄弟姉妹、孫です。以前は、祖父母・兄弟姉妹・孫は同居かつ扶養していることが要件
 でしたが、この要件がなくなりました。これらの対象家族を介護するために、介護休業だけ
 でなく、介護休暇、所定外労働・時間外労働・深夜業の制限、短時間勤務等の措置も利用で
 きます。
③ 介護のための所定外労働の制限(残業の免除)の新設
  これまで、介護のために利用できる所定外労働の制限(残業の免除)の制度はありません
 でしたが、介護と仕事を両立しやすくするため、この制度が新設されました。事業主は、対
 象家族を介護する労働者が請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労
 働時間を超えて労働させてはいけません。これは、対象家族が介護を必要とする状態にある
 限り利用できる制度です。
④ 介護のための所定労働時間短縮等の措置の拡充
  事業主は、働きながら介護を行うことを容易にするために、次のいずれかの措置を講じな
 ければいけません。
 ・短時間勤務制度(所定労働時間や日数を短縮する制度)
 ・フレックスタイム制度
 ・始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
 ・介護サービスの費用助成その他これに準ずる制度
  この制度を利用できる期間は、以前は介護休業と通算して93日以内でしたが、法改正で
 大きく変わりました。介護休業とは別に、利用開始から3年以上の期間で2回以上利用でき
 るようになりました。利用できる期間と回数は各企業で決めます(介護サービスの費用助成
 は1回の企業もあります)。3回まで利用できる介護休業と2回以上利用できる所定労働時
 間短縮等の措置を、交互に取ることも可能になりました。

 介護は40代・50代の労働者が直面するケースが多く、企業としても長いキャリアを積ん
だ貴重な人材が失われることになります。2025年には、3人に一人が要介護者を抱えて働
くことになると言われています。介護を理由に離職することなく働き続けられる仕組みを作っ
ていくことが、働く人にとっても企業にとっても大切になってきます。

                         ≪特定社会保険労務士 山口民枝≫
 

なぅ先生
私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!