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なぅ先生のお仕事役立ち情報

お仕事役立ち情報:シニアのパワーを活かす(その2)

 

 前々回に続いて、特定社会保険労務士の山口先生から、シニア世代の活躍についてのお話が寄
せられたので紹介するよ。


 

「シニアのパワーを活かす(その2)」


前回に続き、シニア世代の活用についてお話したいと思います。働くシニア世代の人数も会社側の需要も確実に増えています。では、実際のシニア世代の就労意欲はどうでしょうか。   最近の調査結果を見てみましょう。


 2016年版の高齢社会白書によれば、60歳以上の高齢者の71.9%が就労を希望しています。働く年齢についても、「働けるうちはいつまでも」が28.9%で最も多く、「65 歳くらいまで」、「70歳くらいまで」がともに16.6%と、60歳をすぎても就労意欲がある人が多いことが分かります。


 また、シニア層の就業実態・意識調査(2016年)によれば、就労したい理由としては、生計維持のため(36.5%)、自由に使えるお金の確保のため(35.9%)、家計を補助  するため(30.9%)といった経済的理由に加えて、健康維持のため(35.2%)、社会とのつながりを得るため(29.3%)という理由も高い割合でみられます。


 これらの調査結果からみても、「定年=就労の終わり」ではなく一つの通過点であり、定年後も働くことを希望する人が大勢を占めていることが分かります。会社としても、シニア世代が一定程度働くことを想定した労務管理が必要と言えそうです。


 高齢者を雇用する会社への助成制度も紹介しておきます。
 雇用関係助成金の一例としては、高年齢者雇用安定助成金があり、以下の2つのコースがあります。一つは、高年齢者の活用促進のための雇用環境整備の措置を実施する事業主に対して助成する「高年齢者活用促進コース」で、もう一つは、50歳以上で定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用に転換させる制度を導入し、実際に転換を行った事業主に対して助成する「 高年齢者無期雇用転換コース」です。助成金には他にも細かな要件があるため、必ずしも支給されるとは限りませんが、このような助成制度があることを知っておくと、シニア世代の人材活用の一助になるかもしれませんね。


 シニア世代を新たに雇用する際には、「新しい仕事を覚えられるだろうか」、「体力的に厳しいのではないか」という不安を抱える会社もあるでしょう。しかし、実際に雇用した会社か らは、「真面目で、新しいことも意欲的に覚えて実践している」、「細かな気配りがあり、指示を出さなくてもやってくれる」、「責任感の強さ、丁寧な仕事、礼儀正しさが若手のお手本となっている」など、プラスの意見が多く聞かれます。年配のお客様への配慮など、同じシニ  ア世代だからこそできることもあり、シニア社員の持つ強みが発揮されることで、会社全体に好影響を与えています。


 働き手の確保が難しくなる中で、シニア世代の活躍は、会社にとって大きな戦力となります。そのためには、会社側もこれまでの視点を少し変えるようにしましょう。新しく採用した人であっても、経験豊富な人生の先輩です。敬う気持ちを忘れず丁寧に仕事を教える、体力面や本人の意思を随時確認するなど、きちんとコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことでその人の経験や強みを活かすことができるでしょう。


会社側とシニア社員が互いを理解しあい、働きやすい環境をつくることで、シニアのパワーが発揮され、より活力のある会社となるでしょう。



≪特定社会保険労務士 山口民枝≫



なぅ先生
私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!