お仕事役立ち情報:メンター制度(その2)
今回は、前回に続いて特定社会保険労務士の山口先生から、メンター制度についてのお話の続
きが寄せられたので紹介するよ。
「メンター制度について ~その2~ 」
今回は、メンター制度を導入するための具体的な手順や注意点についてお伝えします。
(1)社内の課題整理と制度導入周知
まず、社内の人材育成上の課題を整理し、目的を明確にしましょう。その上で、対象・取
組期間など、メンター制度の大まかな全体像を決めます。次に、会社の方針としてメンター
制度に取り組むことを、全社員に表明しましょう。対象者が取り組みやすくなり、制度の全
社的な浸透にもつながります。
(2)推進チームの結成
メンター・メンティとは別に、社内にメンター制度の推進チームを作りましょう。推進チ
ームは、メンター・メンティの相談窓口となり、関連する部署との調整を行うなど、メンタ
ー制度を公正かつスムーズに運用する上で、とても重要な役割を果たします。
(3)運用ルールの設定
メンター制度で行う面談は業務の一環です。面談はルーズにならないよう、定期的に時間
を決めて行いましょう。また、メンターとメンティは、直属の上司・部下でないことが原則
です。上司がメンターにならざるを得ない場合は、面談中は業務指導をしないなどのルール
を決めておきましょう。
(4)対象者(メンター・メンティ)の選定とペアの決定
対象者の選定にあたっては、制度導入の目的に合った人を選定しましょう。意欲を持って
取り組めるという意味では、公募という方法もあります。このとき、対象者の情報(経歴、
人柄など)を入手しておくと、ペアの決定がしやすくなります。
(5)メンター・メンティに対する研修の実施
互いの役割、期待すること、実際の進め方、問題が起きた場合の対処法などを、事前にき
ちんと研修することが、成功のための大きなポイントとなります。
(6)面談の実施
面談で話し合う内容は、基本的に制限はありませんが、守秘義務はお互いに守りましょう
。「何を話して良いか分からない」、「ペアごとのばらつきが大きい」という場合には、面
談シートを作成すると良いでしょう。面談シートには、前回からの進捗、今回の相談、次回
までの課題、気づいたこと、推進チームへの伝達事項などを記載します。推進チームは、個
別に相談があった場合などにペアをフォローします。面談を続ける上で困難な事情が生じた
場合には、推進チームが窓口となって、ペアを変更することもあります。
(7)実施後の振り返りと改善
まず、1~2回目の面談を終えた時期に、メンター・メンティを集めたフォローアップミ
ーティングを行うと、目的や課題の共有、他のペアとの情報交換ができます。取組期間終了
後は、アンケート調査やヒアリングを行い、良かったこと、課題、改善点、継続希望の有無
などを確認しましょう。これらの調査結果をもとに、改善点も考え、次期計画の検討につな
げます。
以上が大まかな流れです。社員の定着・育成のための一手法として、メンター制度の導入を検
討してみてはいかがでしょうか。
≪特定社会保険労務士 山口民枝≫
- 私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!