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お仕事なぅ

なぅ先生のお仕事役立ち情報

お仕事役立ち情報:メンター制度(その1)

 今回は、特定社会保険労務士の山口先生から、メンター制度についてのお話の続きが寄せられ
たので紹介するよ。

 「メンター制度について ~その1~ 」

  「社員を採用してもすぐ辞めてしまう」、「仕事を教えてもなかなか成長しない」、「職場
 内でのコミュニケーションがきちんととれていない」など、社員の定着や育成に関する悩みを
 抱える会社が増えています。このような会社で、最近注目されている「メンター制度」につい
 て、今回はご紹介したいと思います。

  メンター制度とは、新入社員や後輩社員(=メンティ)に対して、所属する部署の上司とは
 別に指導・相談役となる先輩社員(=メンター)を決め、メンターとメンティが定期的に面談
 を行うことで、メンティの悩みの解決を援助したり、キャリアアップをサポートする制度のこ
 とです。つまり、メンター・メンティという「良き相談相手」の関係を、社内で制度化したも
 のと言えます。
  メンター制度は、もともと欧米で発達したもので、日本では女性のキャリアアップ・雇用継
 続の観点から注目・導入されましたが、現在では、女性や若手社員に限らず、社員の定着・育
 成、社内のコミュニケーション活性化、メンタルヘルス不調の未然防止などの目的で導入する
 企業が増えています。

  メンター制度を導入した企業では、様々な効果が見られています。まず、メンティについて
 は、モチベーションアップ、離職率の減少、知識・スキルの向上、メンタルヘルス不調の早期
 発見、職場環境への適応がスムーズになった、などの効果が上がっています。
  また、相談・支援をするメンター自身にも、人材育成意識やコミュニケーション能力のアッ
 プ、マネジメント能力の向上、といった効果が見られ、メンター・メンティ双方にメリットが
 あります。さらに、部門・部署を越えたメンター・メンティのマッチングにより、組織横断的
 な連携・ネットワークが可能となるなど、組織風土の活性化にもつながります。

  人材定着・育成には様々な手法がある中で、メンター制度には以下のような特徴がありま
 す。

  まず第一に、直接の上司・部下ではないことがメンター制度の大きな特徴です。上司・部下
 の関係は、評価する側・される側という関係性があり、双方ともに緊張感が強く身構えてしま
 います。直接利害関係のないメンター・メンティだからこそ、話せる内容が広がります。
  第二に、ペアを決めて定期的に面談することで、特定の人との信頼関係が生まれます。時に
 は深い相談ができ、今までとは違う仕事の進め方や課題解決方法を見つけることもできるでし
 ょう。
  このほかにも、長期的な視野に立って人材育成ができる、直接の対話を繰り返すことで話す
 力・聞く(聴く)力がつく、といったメリットもあります。

  とはいえ、直接の上司・部下ではない者をメンター・メンティのペアにするわけですから、
 各部署の理解が不足していれば、メンター制度をうまく運用することはできません。また、メ
 ンター自身が役割を理解できていない、メンティがメンターに依存しすぎる、メンターとメン
 ティの相性がよくないなど、個別の問題が出てくることもあるでしょう。

  メンター制度をうまく導入・運用するためには、社員の相談機会を増やすことで社員の不安
 や悩みが減り活き活きと働くことができる、それが人材育成・定着や職場環境改善につながる
 という意識を全員が共有し、会社全体の方針としてメンター制度に取り組めるかがポイントと
 なってきます。

  次回は、実際にメンター制度を導入する手順や注意点についてお伝えします。



                         ≪特定社会保険労務士 山口民枝≫
 

なぅ先生
私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!