働き方改革関連法の対応状況
今回は、事業主さん向けの記事にさせていただきます。
事業主の皆さん、働き方改革関連法の対応は万全ですか?
働き方改革関連法は令和元年4月施行(一部の法律は中小企業は遅れて適用)が多く、施行か
ら3年半を迎えますが、ある調査を見ますと働き方改革関連法の対応は種々の事情から進んでい
ないことが伺えます。
働き方改革関連法の主要なもの「時間外労働の上限規制」「年次有給休暇の取得義務化」「同
一労働同一賃金」の改正内容の再確認と同様の調査結果報告はいくつかありますが、今回は比較
的小規模の企業を対象としている、「働き方改革関連法等への対応状況等に関するアンケート調
査結果」で対応状況を見ていきたいと思います。
(※1)出展:全国商工会連合会「働き方改革関連法等への対応状況等に関するアンケート調査
結果」
(※2)令和3年1月21日報告
調査期間 令和2年10月15日~12月25日
企業数 全国の4129事業所
<時間外労働の上限規制>(大企業:令和元年4月施行、中小企業:令和2年4月適用)
改正内容:長時間労働の是正を図るため、従来、法的な規制がなかった時間外労働を通常は
月45時間、年360時間を法律上の上限時間とし、特別な事情がある場合でも
複数月平均80時間以内・月100時間以内(ともに休日労働を含む)年720
時間以内とするものです。
対応状況:「対応済みである」と回答した企業は、従業員規模20人以下が63.0%で、
21人以上は77.3%です。
◇中小企業は、令和2年4月が適用ですので、調査は半年経過後の状況ということ
になりますが、大変対応に苦戦されているように思われます。
また、「対応済み」「対応内容を検討中」と回答した企業が、時間外労働の上限
規制の対応として講じた取組(又は検討中)のベスト3は、以下のとおり、
1位:36協定の締結・変更
2位:経営層や管理職による従業員の時間外労働の管理の徹底
3位:勤怠管理システムの導入・見直し
となっています。
◇従業員の方に時間外労働及び休日労働をしてもらうためには、36協定を締結し
労働基準監督署に届け出なければなりませんが、従業員規模が20人以下の企業
のうち、44.2%の企業が36協定を締結していないようです。36協定の締
結・届出がない中で残業等をさせると、労働基準法違反となってしまいます。
<年次有給休暇の取得義務>(令和元年4月施行)
改正内容:長時間労働の是正、労働者の健康維持を目的として、年10日以上の年次有給休
暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、
使用者が時期を指定して取得させることが必要になりました。
対応状況:「年次有給休暇の取得が5日未満の従業員がいる」と回答した企業は、従業員規
模が20人以下が21.5%で、21人以上が26.3%となっています。
◇年次有給休暇の取得義務の法改正は、従業員規模に関係なく2019年4月から
施行ですが、施行から1年半経っても対応が進んでいないようです。
<同一労働同一賃金>(大企業:令和2年4月施行 中小企業:令和3年4月適用)
改正内容:同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働
者、有期雇用労働者、派遣労働者)との間で、基本給や賞与など個々の待遇に
ついて、不合理な待遇差が禁止されました。
対応状況:「対応済みである」と回答した企業は、従業員規模が20人以下では48.
6%、21人以上では52.0%となっています。
◇同一労働同一賃金の中小企業の適用は令和3年4月で、調査結果はそれ以前のも
のですが、対応は進んでいるようです。
知らず知らずのうちに労働基準法等違反となっていたということがないように、もう一度自社
の状況を再点検していただき対応を進められることをお勧めします。
- 私は世の中にどのようなお仕事があるか研究している、なぅ先生です。
これから、お仕事について一緒に勉強していきましょう!!